「新産業・雇用創出計画」を現実的な政策として実現するためにはとくに次の二点を実行する必要がある。第一は、新産業雇用創出のための詳細で現実的で総合的な計画の策定である。それは具体的な数量分析にもとづく数値目標を持った政策として策定される必要がある。日本の官庁はこうした分析を行うに足るだけの情報を充分に持っているが、それが全省庁の情報を総合した総合計画としてまとめられる事が必要である。第二は、必要な財政支出による刺激を行い名目所得水準を少くとも維持することである。
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物価が大幅に低下する状態はいわば大不況に似た状態であり、そのままでは名目賃金が物価に連動して引下げられるおそれが大きい。それを防ぐためにはマクロの名目所得水準が維持されることであり、そのためにも必要な財政支出を行って名目所得水準を維持することが必要である。また民間部門は物価の低下に連動して名目賃金を引下げてはならない。もし名目賃金が物価に連動して引下げられるようなことがあると経済は名目的に縮小してゆくから、物価引下げによる実質所得の増大は実現できなくなる。第三は、公共投資などによる生活関連社会インフラの整備、充実である。実質所得の増加による実質消費支出の増加は、とりわけ所得弾力性の高い消費支出費目の分野で発生することが消費行動の実績から予期される。それらはたとえば健康、医療、教育、文化、芸術、レクリエーションなどの分野である。