三日後に、たまたまHさんと同じ会社に勤める人が転職相談に訪れた。しかも偶然、Hさんと同じセクションの人で、どうやら上司も同じ入らしい。彼の場合はHさんと違って故郷に帰りたいというUターン希望者で、別に上司からイジメられていたわけではないようだ。そこで我々はそれとなく「上司の人柄」について聞いてみた。もちろん、Hさんが転職活動している事実は、伏せた上でのヒアリングである。「上司ですか?ええ、うまくやってますよ。
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ちょっと言葉の汚い人で、誤解されやすいんですけどね」そんな説明と、Hさんの話を比較しながら、我々はふと「Hさんは単に考えすぎているだけなのではないか?」と思うようになった。つまり、Hさんの上司というのは、誰かれなく怒鳴り散らすタイプの人で、Hさんが必要以上に過敏に反応しているのではないかと思ったのである。まったく同じ話を複数の人にした場合、どう受け止めるかは人によって様々に異なる。それと同じ状況なのではないだろうかという思いは、Hさんの同僚の話を聞いていくにつれて、強くなってきたのである。(もう一度、Hさんと会って話をしてみよう)ひょっとしたら、転職をしなくてもすむかもしれない、と我々は思った。