日本型雇用システムは、二つの次元で他の異なる雇用システムとの比較が可能である。一つは雇用の流動性の観点から、もう一つは技能形成の観点からの比較である。この二つは相互に関連しあうのであり、前者の観点からの雇用システムの比較だけであれば、それは重大な要因を無視することになる。なぜなら雇用の流動性あるいは転職において不可欠の要因は、雇用される労働の能力すなわち技能であり、それがどのように形成され評価されるかによって、転職すなわち雇用の流動性の在り方は大きく異なることになるからだ。
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このような観点から、比較の対象は、一つは同じ内部労働市場という枠組みにおけるアメリカの雇用システムであり、もう一つは職業別労働市場という異なる原理の雇用システム、すなわちドイツの雇用システムとアメリカの専門職の雇用システムであった。しかし現在、日本型雇用システムに関して述べられることは、定着型の雇用から流動型の雇用への転換といったテーマに終始している。